私は以前製造業で営業をしていました。営業では必ず聞かないと行けない項目が存在します。
製造業では、要求仕様、希望金額、納期、機能等をヒアリングしました。
インターネット広告代理店に転職し、聞くべき項目を自分なりに考えてみました。
まずは画像でまとめます。

次の項目をヒアリングする必要があります。
目的
- リスティング広告を行う目的
- CVポイントをどこに設定するか
現状
- ビジネスモデルの全体像
- 全体の指標
- 広告の指標
- サイト内の指標
- 代理店の選定理由
課題
- 目標との乖離
1つ1つ解説していきます。
目的
リスティング広告を行う目的
広告主がリスティング広告を実施しようとする時、それにより何を成し遂げたいか、という目標が必ずあるはずです。
それをヒアリングしましょう。
これは次の具体的な指標たちに落とし込む前の、そもそもそれにより何をしたいか、という根本的な問になります。
例えば次の問いを行いましょう。
「なぜ、Web広告をしようと思ったのか。Web広告を実施しどういう効果をまずは期待するかのか。」
例えば、下記のような回答があるはずです。
- 潜在的なニーズを持つ消費者を自社サイトへ誘導したい
- キャンペーンを行うため、それを周知させたい
- 見込み客の発掘を行いたい
- 売上を達成したい
営業の現場では、「そもそもなぜリスティング広告をしたいのか」とクライアントに聞くのは、何か自分の無知をさらけ出しているかのようで、恥ずかしく、聞きづらい。「そんな当たり前のこと聞かなくとも私はクライアントの目的を知っていますよ」といった、誤ったプライドを持つ人は多いです。
しかし、当たり前のことだからこそ、クライアントにしっかり言語化してもらい、根本的な目標をお互い再確認する必要があります。
CVポイントをどこに設定するか
Web広告の目的をヒアリングしたら、次はCVポイントをどこに設定するかを確認します。
ビジネスの目的が変われば、CVポイントの設定箇所も当然変わります。
CVポイントは測定可能であることが一番重要で、Web上での最終目的のポイントとなります。
ここで「Web上での」といった理由は、クライアントの真の目標はWeb上では完結しないことが多いですが、それは計測不可能なので、「Web上」で「計測可能」な到達ポイントを設定します。
具体的には下記があります。
- サイト内PVの増加(認知)
- 資料請求のサンクスページ
- 来場予約のサンクスページ
- お問い合わせの件数
- コール数
- 購入完了のサンクスページ
CVポイントはあくまで、クライアントのビジネスの最終目標の内の中間地点であることを忘れてはなりません。
例えば、マンション販売を目標としているクライアントのビジネス上の目標は、「契約」による「売上・利益の増加」であり、その時に設定するCVポイントは資料請求や来場予約でありますが、いくら来場数が多くとも、実際に契約まで至らないと、クライアントとしては意味がないのです。
クライントのビジネスの目的を理解し、そのWeb上の中間目標をCVポイントとして設定します。
現状
ビジネスモデルの全体像
クライアントの企業がどのようなビジネスを展開しているか。
具体的には、次のような内容になります。
- そのビジネスにはどのような会社がどのような商流で関係しているか
- そのクライアントはどこからお金をもらい、どこに払っているか
- そWebだけに限らず、全体の広告戦略として、どこをターゲットにしているか
- 媒体は何を利用しているか
- 広告予算はどの媒体にどのくらい予算を充てているか
この項目は一からクライアントに聞くのも重要ですが、事前に会社のサイトに目を通し、自分なりに仮設を立てた上で、クライアントに質問するのが良いです。
これは常識の話しになってしまいますが、「この営業はうちのこと何も知らないし、何も調べてこなかったんだ」と思われると心象的に悪い印象が残るためです。
最低限クライアントの事業は自分で調べた上で、目星をつけて「こういう理解でよいですか?」という体裁で質問をし、クライアントのビジネスを深く理解します。
全体の指標
全体の指標とは、ビジネスの目標のための全体の指標です。
例えば次のようなものです。
- 売上件数
- 売上高
製品の販売でしたら、具体的に何個売れればよいのか。売上額はいくらを目標にしているか。
このような目標としている売上や利益の数字を理解しておくと、実際のリスティング広告の目標反響数や、目標反響単価を考えることが出来るようになります。
Web広告を運用するためには、クライアントの全体の目標数字を理解していないと始まらない理由がここにあります。
広告の指標
全体の指標を理解したら、広告の指標をヒアリングします。
広告の指標とは、全体の広告媒体での目標とする数値を言います。
具体的には次のようなものがあります。
- 顧客獲得単価(CPA)
- 顧客獲得単数(CV)
- 広告予算(とその内訳)とその算出根拠
例えば製品を販売するためには、全体の指標をとして100個販売を目標にする。新聞広告で30個、電話営業で40個、リスティング広告で30個、というように、全体の指標に対して、各広告媒体での目標指標をヒアリングします。
同時に各媒体への予算もヒアリングします。そうすれば、それぞれの反響獲得単価が出て、それにより運用の目標が定められるのです。
サイト内の指標
次はサイト内の指標をヒアリングします。
具体的には下記があります。
- UU数
- PV数
- 直帰率
- 全体CVR
広告の指標は反響数と反響単価というWeb上での目標であるCVポイントに対する指標ですが、それ以外のサイト内で計測できる様々な指標があります。
それが上記の内容です。
認知を目的としていれば、UU数を指標とするクライアントも多くいます。PV数や直帰率の指標もサイト内での重要な指標として存在します。
これは、例えばCV数だけでは、ざっくりな改善しかできないため、ページごとのビュー数や直帰率を計測することでそのページと広告の相性や、サイト自体の評価が細かく分析できます。
アクセス解析のツール例えばGoogleアナリティクスを用いて計測します。
Googleアナリティクスの概要はこの記事(Googleアナリティクスで何が見られるの?導入前の基本-セントーレポート)で解説しています。
代理店の選定理由
現在クライアントが他の代理店と契約している場合、その理由をヒアリングしてみましょう。
それを聞くことで、クライアントがパートナーに求める要件を直接的に理解できます。
例えば、
- マージンが安い
- 報告頻度が高い
- 社長の知り合い
- 業界特化の代理店だから
などの理由が聞けるかと思います。
「マージンが安いから」と答えたクライアントは、価格のやすさを最優先しているため、仮にあなたの会社が高マージンだがかなりの頻度で広告改善を行い、細かいクライアントフォローを強みにしている会社でしたら、相性が悪いため、仕事自体をお断りする必要も出てきます。
ここも意外と重要なヒアリング項目ですが、実施できている代理店の営業は少ないのではないでしょうか。
課題
目標との乖離
あなたがクライアントに営業するときは、そのクライアントはすでにリスティング広告を実施している事が多いでしょう。
その時に、実際の広告の成果と、それぞれの指標が乖離している場合は、内容を具体的にヒアリングしましょう。
その時は、今まで説明してきた指標のおさらいとなりますが、下記項目があります。
- CV数
- CPA
- 資料請求数
- 来店予約数
- お問い合わせ件数
- コール数
- 売上高
- 売上件数
全てのWeb広告では目標を設定するべきですが、それが目標通りに行くことのほうが実際には少ないです。
しかし、だからといって目標を立てなくていい理由にはなりません。目標があって初めてその指標の良し悪しがわかるのであって、そこに改善が生まれます。
その「改善できる」ということがWeb広告の1つの大きな特徴であり、だからこそ目標を設定する意義があります。
これが他の広告媒体より、Web広告には目標が必要だとする、大きな理由となります。
今まで立てている目標と実際の数値の乖離と、どのくらい乖離しているかをヒアリングし、そこから具体的な改善提案を実施することが、代理店営業の責務であります。
それでは以上です!
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